top of page
​高密植栽培専用トレリス
1 専用トレリスの必要性

  高密植栽培では、樹高が約3.5m以上、着果位置で3.0~3.5mまで達する。また、樹勢・樹形を維持するためには最上着果位置である約3.0m付近まで、樹を直立させることが重要であるとされている。そこで、本栽培専用のトレリス設置にあたり、JA全農長野作成のマニュアル(暫定版)を参考に、設置方法や関連資材を紹介します。

2 トレリスの設置方法

​(1)基本的パターン

基本図形.jpg
平面.jpg
台形ほ場.jpg
トレリス.jpg

​(2)材質

   ①基本材質

     防錆処理(溶融亜鉛メッキ)がされ、JIS規格で決まったSTK(土木、建築、足場、支柱、その他構造物に使用する)、又はこれに準じた

   材質の鋼管を用いることが一般的である。

  ②隅柱

     強度面から76.3㎜を使用し、地上長約3.5mを確保できるよう設置することが望ましい。一方、費用を下げる観点からφ48.6㎜を利用し

    た設置も近年増えている。どの部材を使用するかにあたり、忘れてならないのは部材の肉厚であり、低価格ものの中には肉薄のものが

    あるため、部材が曲がったり、潰れたりすることもあるので十分確認の上導入する。

   ③設置方法

     基本的なパターンとしてステイ方式とアンカー方式(前項)があり、強度確保の観点から前者は地中に100㎝、後者は50㎝埋没させるの

    が原則である。よって、どちらの方式により設置するかによって、準備すべき隅柱のトータル長が決まってくる。

​(3)架設上の基本事項

  ①支柱(列)方向は、南北とする

  

  ②隅柱は、強度面からアンカー方式とする

  

  ③柱と柱の間隔(列方向)は、5m以内とする

  

  ④張線の長さ(隅柱と隅柱間)が50mを超えないよう列の長さ、列数を計画する

  

  ⑤トレリス外周(枕地)は、スピードスプレーヤーの道として3m以上空ける

​  ⑥アンカーは、コンクリートアンカーを基本とし、打込みアンカーを利用する場合は、事前に土質を調査してから使用する。

​(4)その他

   ①強風・台風による倒伏

    平成29年30年と2年連続で、トレリス・樹の倒伏被害が発生した。斜めになったものまで含めると、長野県下100件近いものが被害で

   ある。特に倒伏被害は無惨で、修復が利かないものが多く、再築を余儀なくされている。

  

   ②共通するトレリスの弱点

    被害に遭ったのは、共通して定植5年以上の収量が上がっている園地で、施設の老朽化したものが多い。また、従来使用してきたトレリ

   スは柱間隔は8m前後と広く、風による揺れ幅も大きく、倒伏まで至らなくも果実のスレ傷、落果も多い。

   ③県下300ha以上が、老朽化したトレリスが使用されているため、補強工事は早急にしたいものである。

   ※今後、本栽培を取り組むには、苗木の準備も重要だが、強度の高いトレリスは絶対に必須である。後になっての補強などは新品で準備するより大変であるため、植え付け前に整備したいものである。

bottom of page