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リンゴ高密植わい化の整枝・せん定

1.せん定を始める前に

   

 リンゴ栽培では、整枝・せん定が著しく重視され、生産者のせん定技術の向上に対する熱意には並々ならぬものがある。と「整枝・せん定の意義」の書き出しにある。それは、整枝・せん定の巧拙が収量や果実品質に大きく影響するからとされている。

 本栽培では、側枝を下垂誘引することが基本中の基本であり、目指す姿はトールスピンドルブッシュ(樹高がやや高い細型紡錘形)である。巧みな技を駆使し、コノギリとせん定ハサミで樹づくりをするというより、できるだけ切らずに側枝の誘引で樹形を整えるといった感じだろうか。ただ、枝は毎年10㎝伸びても10年もすれば1mにもなるので、どこかではせん定は必要となる。また、優良なフェザー苗を定植しても、2つとして同じ苗はないし、同じ生育を示さない場合が多いため、必ず樹相診断をおこない作業に入る。このことは、今日までの果樹栽培では当たり前のことだ。

2.樹相診断(樹勢の判断)

   

 樹勢が強いのか弱いのかの判断は、主幹延長枝の伸びた長さにより判断する。(下図参照)

 *側枝の太さは、発生部位の主幹の太さに対し、1/3以下が望ましいとされる。言い換えると、1/3以上の側枝がある場合、主幹延長枝の

   生育は阻害されるため、樹相判断を誤ることがある。​

 

 *近年、特に定植2年目に主幹延長枝が1mにも達する品種(シナノリップ等)もあるが、適樹勢の範疇であると現場では判断されている。​

リンゴ高密植わい化栽培におけるせん定の手順
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